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第7話 冬を訊く人

Author: 운디네J
last update publish date: 2026-10-18 21:30:40

「二十四歳です」

ムジンは茶碗を置いた。

「急に何ですか」

「僕のこと、子どもみたいに扱うから」

イヒョンは食卓の下で脚を伸ばした。腫れが引き、足首は昨日より動かしやすい。今朝は壁に手をついて、一人で数歩歩けた。

「子どもにこんな苦い茶を飲ませますか」

「ムジンさんは、いくつなんですか?」

「二十八」

「たった四つ上じゃないですか」

ムジンの眉が動いた。イヒョンは笑ってカップを持ち上げた。蜂蜜が前より多めに入っていた。

五日目だった。

ノートにはイヒョンの名前が二日続けて書かれている。窓辺には彼が選んだ薬草が干され、椅子にはムジンの服が自分のもののように掛かっていた。

少しの間借りている場所だと思おうとしても、自分の痕跡ばかり増えていく。

* * *

昼食後、ムジンは小屋の脇の空き地へイヒョンを連れていった。

外の空気を吸うには十分だった。古い木のベンチに腰掛けると、膝の上に日差しが落ちた。

イヒョンは目を細めた。

「こんなに暖かいのに、夜は寒いんですね」

「冬はもっと寒いです」

「雪、たくさん降りますか」

「戸が開かなくなることもあります」

イヒョンは小屋を振り返った。屋根が白く覆われ、戸口に足跡が残るところを想像した。

その中でムジンは一人で食事をするのだろう。

ストーブに薪をくべ、窓についた霜を手で拭いて。

「雪が降ると、ここはどうなるんですか?」

ムジンは向かいの森を指さした。

「あの枝が、みんな雪の重みで下がります。沢の音も小さくなる」

「きれいでしょうね」

「来て、見ればいいでしょう」

イヒョンは答えなかった。

ムジンがこちらを見た。イヒョンは日差しが眩しいふりをして笑った。

冬という言葉は遠かった。

たった数か月なのに、ここから家までの道よりずっと遠く感じる。

膝の上で手を開き、また握った。

「写真は撮らないんですか」

「撮ってくれる人もいないし」

「景色の写真です」

ムジンは咳払いをした。イヒョンは今度こそ声を上げて笑った。

「じゃあ、僕が撮ります。いつか」

言ってから、指先が冷たくなった。

いつか。

思ったより簡単に口にできた。

* * *

戻る途中、イヒョンの足が石につまずいた。

ムジンはすぐに腕をつかんだ。イヒョンが体勢を立て直しても、手を離さなかった。小屋まではもうすぐだった。

イヒョンも、わざわざ手を振りほどかなかった。

戸口に着くと、壁に掛かった古い斧が見えた。

「それは使わないんですか?」

「柄が弱くなっているから」

「直せばいいのに」

ムジンは少しの間、斧を見つめた。

「取り替えたら、別のものになる気がして」

イヒョンはうなずいた。物にも人が残ることを、知っていた。

「教えてくれた人のものですか」

「ええ」

「いい人だったんですね」

ムジンは靴についた土を払った。返事まで間があった。

「行くところがないとき、受け入れてくれました」

なぜ行くところがなかったのか、イヒョンは訊かなかった。ムジンが言葉を止めたところで、一緒に止まった。

たいていの人は理由を訊いた。説明すれば間違っていると言い、説明しなければ話を聞かないと言った。

イヒョンはもう一度斧を見て、言った。

「手仕事が上手になったのを見たら、きっと喜んだでしょうね」

ムジンはしばらく靴紐をほどけなかった。

* * *

日が傾くころ、ムジンは古い箱を移した。

窓際の薬草棚を広げる場所が必要だった。箱の下から封筒が一つ滑り出た。イヒョンが拾うより先に、ムジンが手を伸ばした。

あまりにも素早かった。

イヒョンも気づいた。

封筒には斧の柄の先と同じ紋章が押されていた。ムジンはそれを箱へ戻し、蓋を閉めた。

「大事なものですか」

「開けることもなかったので」

「大事かどうか、訊いたんですけど」

ムジンは取っ手を握ったまま動きを止めた。

イヒョンは椅子を動かすのを手伝った。いつか、自分にも話してくれたらいいと思った。

夜になると、山の獣が屋根の上を通った。

イヒョンが驚いて顔を上げると、ムジンが言った。

「熊じゃありません」

イヒョンは笑いをこらえきれなかった。

ムジンもつられて笑った。短かったが、確かな笑顔だった。

イヒョンは見逃さないように、その顔を見つめた。

笑うと、思ったより若く見えた。いつも固い口元がゆるみ、目尻が柔らかく下がる。自分だけが知っている顔だったらいいのに、と思った。

その考えに、イヒョンは先に目を伏せた。

ムジンはストーブの前に座り、薪を選んだ。

「寒いですか」

「いいえ」

「顔が赤いけど」

イヒョンはカップを持った。

「お茶が熱くて」

もう冷めていた。

ムジンはそれを知りながら、お湯を足さなかった。

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